遂行マネジメント(Execution)

統制マネジメント(Governance)

プロジェクト管理の仕組み化と横断統制

#PMO #標準化 #横断モニタリング

案件が増えるほど、現場は動いているのに全体の整合が取りづらくなります。
DreamOnは、共通ルール・可視化・人材育成を通じて、個々の頑張りを“組織の成果”へ変える仕組みをつくります。

※関連:期限必達の進捗マネジメント関係者調整と意思決定の高速化

1. 何が課題なのか(よくある兆候)

  • 部門ごとに進め方・報告粒度が異なり、横比較ができない
  • 人・時間の重なりが増え、調整コストが膨らむ(いつの間にか“見えない摩擦”)
  • 経営は全体の優先順位と投資対効果を把握しづらい
  • 成功・失敗の学びが次の案件へ引き継がれない(毎回ゼロから)

これは「能力の問題」ではなく、仕組みより案件のスピードが先行しているために起きる自然な現象です。
解決策は、監視ではなく整流化(標準化・可視化・横断運用)です。

PMOによる全体統制の仕組み 経営層・意思決定層 PMO(統合・標準化・横断管理) 共通ルール/KPI設計/ダッシュボード運用 プロジェクトA プロジェクトB プロジェクトC ナレッジ共有・ベストプラクティス展開
経営層の判断と現場プロジェクトをつなぎ、標準化と横断管理で全体を整流化する。

2. 仕組み化の原則(見える・揃う・回る)

  1. 見える: 進捗・リスク・工数・優先度を共通指標で可視化する
  2. 揃う: 計画・報告・会議・品質の基準を標準化して横比較できる状態にする
  3. 回る: 定例運営・教育・振り返りを習慣化し、改善が自走するようにする

※ 組織規模や文化に合わせて軽重を調整します(“導入=重くする”ではありません)。

3. DreamOnの進め方(4ステップ伴走)

  1. ① 現状診断と指標設計

    部門別の管理手法・指標・ツールを棚卸し。何が見えていないかを特定し、共通KPI(進捗・リスク・工数等)を設計します。

  2. ② 標準化(テンプレ&ルール)

    計画・報告・会議・品質のテンプレとルールを整備。Excel/PowerPoint/Jira/Backlog等、既存資産に合わせて実装します。

  3. ③ 横断モニタリング

    経営層・PM層向けダッシュボードで状況を俯瞰。優先順位の整合と早期是正を、数字を基に行えるようにします。

  4. ④ 定着と人材育成

    社内PM育成、レビュー運営、ナレッジ化を通じて内製化。“仕組みで回る”状態へ移行します。

4. 最少セット(この3つで仕組みが動き始める)

  • 共通テンプレ群: 計画書、進捗・リスク・課題報告、会議メモ、品質ゲート
  • 横断ダッシュボード: プロジェクト一覧/マイルストーン/リスク・工数の早期警戒
  • 運用ガイド: 会議体(目的別)、判断フロー(エスカレーション)、ロール・責任(RACI)

まずは“最少セット”で稼働させ、運用の中で不足を足していく流儀で進めます。

横断ダッシュボード構成例 プロジェクト横断ダッシュボード(例) 進捗状況(EVM・完了率) 遅れ警戒ラインを表示 リスクマップ 高影響・高確率を強調 主要マイルストーン一覧 遅延・完了予定を色分け
進捗・リスク・マイルストーンを共通指標で俯瞰するダッシュボードのイメージ。

5. 導入効果(期待できる変化)

  • 経営と現場の目線が一致(優先順位と根拠が共有される)
  • 報告・判断の粒度が統一され、調整コストが下がる
  • リスクと課題を横断で把握し、先手の是正が可能になる
  • 振り返りの知見が標準へ還流し、次の案件が楽になる

PMIの調査では、PMO機能を持つ組織は持たない組織に比べ、成功率が有意に高いと報告されています1

6. DreamOnの役割(ご支援範囲)

  • 現状診断ワークショップの設計・実施(関係者ヒアリング/課題の構造化)
  • テンプレ・ルール・ダッシュボードの初期整備と運用設計
  • 定例・レビューのファシリテーション、横断会議体の立ち上げ支援
  • 社内PM育成(トレーニング/伴走コーチング)とナレッジ化

参考文献

  1. 1. Project Management Institute (2021). Pulse of the Profession. ― PMOを持つ組織は、持たない組織よりプロジェクト成功率が高いと報告。
  2. 2. IPA(情報処理推進機構)『ITプロジェクトの実態調査報告書』(2020年)。 ― 複数プロジェクトの横断把握・標準化の必要性を指摘。
  3. 3. OECD (2020). Digital Government Review. ― 組織横断の標準化・ナレッジ共有が成熟度向上に寄与と分析。

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