遂行マネジメント(Execution)
統制マネジメント(Governance)
- 品質確保のQA/テストマネジメント
- 関係者調整と意思決定の高速化
- プロジェクト管理の仕組み化と横断統制
品質確保のQA/テストマネジメント
#品質管理 #リスク管理
「テストしたのに不具合が出た」「レビューしても漏れがある」。 多くの現場で起きる品質トラブルは、“確認不足”ではなく“仕組み不足”が原因です。 DreamOnは、品質を偶然ではなく必然で作り込む体制を一緒に設計します。
※関連:要件確定と変更統制の強化 ― 品質を支える前提づくり
1. 品質問題の多くは「後戻りできない場所」で起きる
テストで見つかった不具合は氷山の一角です。 実際には、設計書や要件定義の段階での“すれ違い”が原因であることがほとんど。 IPAの調査によると、不具合の約60%が設計以前に作り込まれていると報告されています1。
つまり、テストは「品質を上げる作業」ではなく、「作り込んだ品質を確認する作業」です。 品質トラブルを減らすには、**上流から“品質の作り方”を決めること**が欠かせません。
2. 「テストで守る」から「設計で作り込む」へ
テストだけで品質を守るのは限界があります。 不具合を後から修正するほどコストがかかり、納期への影響も大きくなります。 ある調査では、リリース後の修正コストは設計段階の約10〜30倍に膨らむことが示されています2。
そのためPMBOKでも「品質は検査でなく計画で作り込む」と定義されています3。 DreamOnはこの考え方に基づき、テスト計画の前段階から、品質を“仕組みとして作る”支援を行います。
3. 品質を高める3つのステップ
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① 品質方針を決める
まず、「何をもって品質とするか」をチームで揃えます。 例:テスト通過率だけでなく「レビュー完了率」「バグ再発率」などを指標に含める。 これにより、誰もが“品質のゴール”を共有できます。 -
② 品質ゲートを設ける
設計・製造・テストの各工程で「この基準を満たせば次へ進む」という関所を設けます。 たとえば「単体テスト完了率90%未満では結合テストへ進まない」といったルールです。 これにより、後戻りを最小化できます。 -
③ 可視化して振り返る
バグの傾向やレビュー件数などを見える化し、品質を“数字で管理”します。 数値で語れると、感覚ではなく事実で判断できるようになります。 これはIPAの品質管理ガイドでも推奨されている手法です1。
KPI(欠陥密度・再発率・検出率)で継続的に品質を高める。
4. テストを「現場が回せる仕組み」にする
テストの目的は「不具合を見つけること」ではなく、「安心してリリースできる状態をつくること」です。 そのためには、現場が自走できる運用設計が欠かせません。
- テスト観点を洗い出すテンプレートを整備(抜け漏れ防止)
- バグの分類ルールを統一(原因分析をしやすく)
- テスト進捗を「件数」ではなく「重要度×完了率」で可視化
- 週次でレビューを行い、傾向を早期にフィードバック
これらの取り組みは、ISO 9001およびPMBOKの品質マネジメント領域とも一致します3,4。
5. まとめ ― 品質を「守る」ではなく「育てる」
品質は検査で作るものではなく、チームの習慣から生まれるものです。 バグをゼロにするよりも、「バグを早く見つけて、次に活かす」文化を育てることが重要です。 PMIの調査でも、品質改善活動を継続的に行っている組織はプロジェクト成功率が約1.6倍高いとされています5。
DreamOnは、ツールやテンプレート導入だけでなく、 チームが自分たちで品質を高めていける仕組みづくりを伴走支援します。
参考文献
- 1. IPA(情報処理推進機構)『ソフトウェア品質向上のためのガイドブック』(2020年)。 ― 不具合の約60%が設計以前の工程で作り込まれると報告。
- 2. Boehm, B. (1981). Software Engineering Economics. ― リリース後修正コストは設計段階の10〜30倍。
- 3. Project Management Institute (2017). PMBOK® Guide – Sixth Edition. ― 品質は検査でなく計画で作り込む(Quality Management Plan)。
- 4. ISO 9001:2015(品質マネジメントシステム)。 ― 継続的改善とプロセスベースアプローチを品質保証の原則として定義。
- 5. Project Management Institute (2022). Pulse of the Profession. ― 品質改善活動を継続的に行う組織は成功率1.6倍。